その患者さんは旅行が趣味でした。
入院されているある時、患者さんから「温泉旅行に行きたい」という言葉が聞かれました。
そこで主治医と相談した結果、家族に病状の説明と外泊などの提案を含めた面談が行われました。
最終的な目標は温泉旅行ですが、そこに向けてまずは外泊を試していくことになりました。
患者さんはベッド周りの日常生活動作は自立されていましたが、下肢浮腫などにより歩行は不安定な状況でした。また、自身も高齢であるため、外泊中の介護に家族は不安や心配が強くありました。
そのため、患者さんの希望を叶えるとともに、家族にも安心して受け入れてもらえるように、多職種にてカンファレンスが繰り返されました。
最終的には、自宅外泊には家政婦、温泉旅行はプライベートナースを利用することとなりました。
そして、外泊へ。
結果的に、2回の外泊が実現し、自宅で家族とゆっくり過ごせました。また、散髪や友人と会うこともでき、患者さんとご家族に喜んでもらうことができました。
ただ、その後、患者さんの病態が悪化し、旅行を実現することはできませんでした。
結果としては、温泉旅行の希望を叶えることはできませんでしたが、余命週単位である可能性がある中でも、患者さんの希望を早い段階で聞き取り、チームで共有し多職種で希望に沿ったケアが実践できたと思える事例でした。
#あすかい病院 #看護 #看護師 #緩和ケア
メニュー