あすかい病院看護部では、卒後1〜3年目の各研修の最後の課題として、毎年看護観をまとめてもらいます。
自己の看護観をまとめることで、1年間実践してきた看護を振り返り、自己の成長を確認することができるとともに、次年度への課題も見出すことができます。
今回は、緩和ケア病棟:2年目看護師の看護観の一部をご紹介します。
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私が大切にしているのは『心に寄り添った看護』である。
緩和ケア病棟で看護してきた中で、多くの患者さんの看取りを行った。最期の時間をどこでどう過ごしたいのか、一人ひとり思いは違う。
終末期のある患者さんは、全身状態が悪化しながらも小康状態であった。認知症もあり普段は表情の変化が分かりづらい方だったが、子供が来てくれると表情が穏やかだった。その患者さんは「家に帰りたい」と看護師に本音をもらすことがあったが、子供に迷惑がかかると思い、子供の前では口にすることはなかった。その患者の願いを叶えるため、子供と相談し外泊という形で自宅に帰ることができた。外泊から帰ってきた時の表情は穏やかになっていた。子供は「無理だと思っていたが一度でも家に連れて帰れてよかった」と話されているのが印象的だった。患者さんと過ごす時間が限られた子供にとって、住み慣れた自宅で家族の時間を過ごせたことは、かけがえのない大切な時間であったと考える。そして、それを支えるのが看護師の役目だと学んだ。
看護師は知識を持って身体的・精神的なケアを行っている。だからこそ、看護師の何気ない一言が患者・家族を安心させることもあれば不安にさせてしまうこともある。実習で色々な経験を重ね、看護師になった現在も日々勉強の毎日である。
私が思う“患者の心に寄り添う”とは、まずその人の人となりを知ることから始まるといえる。そこからその人の考えや、思いや願いを聞きその人に合った関わりができるのだと考える。終末期の患者さんが多く入院されている緩和ケア病棟では、本人や家族の思いにまず気づくことが大切であると考える。それは必ずしも言葉ではないかもしれない。言葉ではなくても何かを発信している。常にアンテナを張り、残された時間をどう過ごしたいのか、どのような最期を迎えたいのかを知ることで初めてその人に合ったケアが考えらえる。今後も患者さんの心の訴えを見逃さず、心に寄り添った看護ができるよう心掛けていきたい。
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どうでしたでしょうか?
2年間の成長を感じることができますね。
看護観は人それぞれです。私もこの看護観から学ぶことができました。
まとめお疲れさまでした。
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